荘厳服
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょうごんふく/荘厳服
正式な法要の場などで着用する顕色の法服。本来の仏制から言えば、出家乞食を旨とする僧侶は壊色(五正色・五間色以外の色)の法服を着用するのが本義であるが、法服には大別して、自身の修行(自行)のための法要に着用する壊色の通常服と、法要の荘重を保ち檀信徒参詣者等の信仰心を高める(化他行)ための法要に着用する顕色の荘厳服の二種がある。「僧侶分限規程」(宗規第三四号)には被着法服と被着の特例を定めている。荘厳服は袈裟を顕色の大師五条以上とし、法衣を大僧正は緋色、正僧正および僧正は紫色、大僧都および僧都は松襲色、少僧都および律師は萌黄色の道具衣、袱紗衣、長素絹または半素絹とし、水冠、誌公帽子、表袴、差貫、切袴その他の副具を用いることができる。また、浄土門主の允許を得たときは、正僧正の僧階を有する教師は緋衣、大僧都は紫衣を被着することができる。
【参考】『浄土宗宗門法制類纂』
【参照項目】➡色衣
【執筆者:中西時久】