色衣
提供: 新纂浄土宗大辞典
しきえ/色衣
荘厳服のなかの法衣。緋色・紫色・松襲色・萌黄色の法衣をいう。法衣は元来壊色で、五正色(青・黄・赤・白・黒)と五間色(緋・紅・紫・緑・碧)などの色は用いなかった。ただし現行『法要集』は黒衣を壊色としている。中国では袈裟の下に俗服を着用し、俗服をそのまま法衣として用いるようになった。唐代では皇帝から紫を賜った。日本では、天皇の綸旨を受けて紫衣・香衣を着用した。明治以降は、一宗の許可を得て被着している。「僧侶分限規程」(宗規第三四号)には、「大僧正は緋色、正僧正及び僧正は紫色、大僧都及び僧都は松襲色、少僧都及び律師は萌黄色の道具衣、袱紗衣、長素絹又は半素絹」とあり、色衣は僧階に準じた相当服を被着することを規定している。
【参考】『浄土宗宗門法制類纂』
【参照項目】➡荘厳服
【執筆者:中西時久】