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壊色

提供: 新纂浄土宗大辞典

えしき/壊色

青・黒・木蘭の三色のこと。Ⓢkaṣāya。特に袈裟の色として定められた色。『毘婆尸仏びばしぶつ経』には「服壊色袈裟」(正蔵一・一五五下)とある。壊色不正色ふしょうじきともいわれるように、青・黄・赤・白・黒の五正色と緋・紫・緑・紅・碧(瑠黄)の五間色を避けて、中間色を用いている。また糞掃衣ふんぞうえなどといわれるように華美なものを避ける意図からも壊色袈裟色)という。僧の衣は戒律で三種壊色(三種染壊せんね)といわれ、青色(銅青)、黒色(雑泥)、木蘭色(皮染)に定められ、違うものを用いると波逸提はいつだいの対象とされていた。浄土宗でも良忠の『観経疏伝通記』(浄全二・二七六上)には青と黒と木蘭とを三如法色としている。本来、壊色とは袈裟に限られていたのであるが、後には法衣にも用いられるようになった。また現在では顕色けんじきに対する言葉としても使われている。


【資料】『仏制比丘六物図』(正蔵四五・八九八中)、『四分律』(正蔵二二・六六七下


【参照項目】➡顕色


【執筆者:大澤亮我】