儀式の冠物かぶりものの一つ。法会では荘厳服で顕色けんじきの七条以上の袈裟のときに顕色の水冠をかぶる。正面の布の折り目が水の字に似ているので水冠と名付けられたともいう。また廬山慧遠が雨請いのときに用いたので水冠と呼ぶという説もある。その形状から蟬帽子せみぼうし・烏帽子からすもうすともいう。禅宗とともに日本に伝わり、各宗で使われるようになった。浄土宗では僧階によって色や地質を規定していた時代もあったが、現在その制限はない。
【参照項目】➡冠物
【執筆者:當間浩昭】