切袴
提供: 新纂浄土宗大辞典
きりばかま/切袴
儀式袴の一つ。差貫の裙囊(打ち返す部分)を切り取って足首まで短くしたので、この称がある。浄土宗では、最も一般的な儀式袴で、本来は袱紗衣・半素絹と組み合わせる袴であるが、道具衣のときも着用する。地模様は八つ藤大紋である。現在、色の規定はないが、過去には萌黄の法衣には紫袴、紫衣および緋衣には純素(白)と定められていた時期があった(『浄土宗制規類纂』浄土宗、一九四〇)。『顕密威儀便覧』上には、差貫の下には下袴(白袴)をはいたが、近来は下袴のみ着用しているとある(仏全七三・三三三上)。差貫の切袴として、指袴の名称がある。公家が差貫の代わりとして用いた。【図版】巻末付録
【参照項目】➡袴
【執筆者:坂上典翁】