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浄土宗北米開教本院

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどしゅうほくべいかいきょうほんいん/浄土宗北米開教本院

北米カリフォルニア州ロサンゼルスに建立された浄土宗寺院。ハワイ開教使であった野崎霊海が、昭和三年(一九二八)ロサンゼルスを拠点として、アメリカ本土の開教を始めたのち、同市内に設立(同一一年)した北米浄土宗会所が前身となる。この教会所は、同一六年の日米開戦により、野崎が日本人収容所に抑留の身となったため、閉鎖の止むなきに至った。大戦終結後、仮会堂での開教活動を経て、同二四年、同市西ジェファーソン街において、元キリスト教の教会として使用されていた会堂を取得し、翌年に開堂式ならびに増上寺法主椎尾弁匡を迎えての入仏慶讃大法要が行われ、北米浄土宗別院となった。その後、別院周辺の治安状況の悪化を理由に、平成四年(一九九二)、同市ダウンタウンのリトルトーキョー東三番街四四二の地に新たに寺院を建立して移転している。同二二年一二月には法然上人八〇〇年大遠忌を記念し、初の五重相伝が行われた。現在の寺院建物の一階には佛教大学のロサンゼルス校が併設されている。


【参考】「浄土宗海外開教のあゆみ」編集委員会編『浄土宗海外開教のあゆみ』(浄土宗開教振興協会、一九九〇)


【参照項目】➡北米開教区


【執筆者:水谷浩志】