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三念仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

さんねんぶつ/三念仏

阿弥陀仏帰命し、「南無阿弥陀仏」を三度唱えること。法然仮託『臨終行義』が唱導経典とされた江戸時代には、本文の読誦に続く五偈「至心発願」ののち三念仏を唱え、称仏名(あるいは行道引声念仏)に至ることが示される(『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』上八五オ)。近世の臨終行儀関係書には、法然一紙小消息』の「三念五念」の文から臨終の一念に至る解釈が多く、臨終のわずかな念仏でも来迎あずかるという確信から念仏相続へつながる法儀とされた。旧名越派、西山派と時宗では法要のときに三念仏が用いられている。三唱三礼賛念仏も三度の念仏ということで三念仏と伝えられる。また、長野県諏訪地方では、「阿弥陀・阿弥陀・阿弥陀」だけを唱え続けることを三念仏という。


【執筆者:神居文彰】