ししん/至心
この上なく誠実な心のこと。至誠心を指す。『無量寿経』の第十八願文に「至心に信楽して我が国に生ぜんと欲して」(聖典一・二二七/浄全一・七)とあるが、法然は『観経釈』に三心を解釈して、「至心とは至誠心なり。信楽とは深心なり。欲生我国とは回向発願心なり」(昭法全一二六)として至心・信楽・欲生我国の文言それぞれが至誠心・深心・回向発願心に当てはまることを説示している。また善導は『往生礼讃』に「但だ意を専らにして作すものは十は即ち十生ず。雑を修して不至心の者は千が中に一も無し」(浄全四・三五七上)と述べ、専心または一心の意に解釈している。
【参照項目】➡至誠心
【執筆者:沼倉雄人】