三奉請
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんぶじょう/三奉請
諸仏を招き入れるための偈文。日常勤行式においては香偈・三宝礼に続くもの。「奉請弥陀世尊入道場 奉請釈迦如来入道場 奉請十方如来入道場」(『法事讃』上、浄全四・八上)と呉音で読誦する。また各句の末尾に「散華楽」と唱え、さらに「過現諸仏等霊儀 人天龍鬼中法蔵 全身砕身真舎利 大衆合掌皆供養」の偈を添えて散華することもある。阿弥陀仏・釈尊・十方の諸仏の順に道場への来臨を請うもので、この三奉請は法照『五会法事讃』に引き継がれ、四奉請として伝わっている。元来『法事讃』では、高座が奉請の讃文を唱えると、下座が「散華楽」と添え句を付し、高座・下座が交互に発声することで、僧俗一体となって行道散華を行っていたものと考えられる。なお増上寺御忌では「奉請法然上人入道場」を加えた四奉請が唱えられる。
【参照項目】➡四奉請
【執筆者:石上壽應】