三十二相願
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんじゅうにそうがん/三十二相願
『無量寿経』に説く、阿弥陀仏の四十八願中第二十一願の願名。道光『無量寿経鈔』による。義寂は「令具諸相願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒『浄土教の新研究』四二二)、智光は「具三十二大丈夫相願」(『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七六)、良源は「所化成満三十二相願」(『九品往生義』浄全一五・一八下)と呼ぶ。成仏したなら、その国土の人々や天人が、三十二の大人相を欠けることなく具えるようにしよう、という願。『大阿弥陀経』と『無量寿荘厳経』の第十五願、『平等覚経』『無量寿如来会』の第二十一願、梵本とチベット訳の第二十願が対応する。
【資料】『無量寿経鈔』四、『無量寿経随聞講録』上之三
【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)
【執筆者:齊藤舜健】