迎講
提供: 新纂浄土宗大辞典
むかえこう/迎講
念仏者の臨終に阿弥陀仏が来迎する場面をあらわし演じる法会。迎接会、来迎会、「お面かぶり」などともいう。『観経』の「阿弥陀仏は大光明を放って、行者の身を照らし、諸もろの菩薩と与に手を授けて迎接したまう」(聖典一・三〇六/浄全一・四七)に基づく。阿弥陀仏とともに来迎する二十五菩薩を僧が面をつけて演じることにより、阿弥陀の来迎引接を表現する。『古事談』には源信の創始であるといい、浄土教が隆盛するに伴って平安時代後期以降流行した。『栄華物語』『今昔物語』『私聚百因縁集』『沙石集』など多くの資料によって、広く行われた法会儀式であったことが知られる。二十五菩薩来迎会、二十五菩薩供養とも呼ばれる同様の法会が、現在でも、當麻寺、美作誕生寺、京都即成院、有田得生寺(和歌山)、平野大念仏寺、九品仏浄真寺、平原十念寺などで行われている。
【執筆者:池見澄隆】