大念仏寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
だいねんぶつじ/大念仏寺
大阪市平野区平野上町。大源山諸仏護念院。別名亀鐘寺。融通念仏宗の総本山。大治二年(一一二七)、融通念仏の開祖良忍が、四天王寺留錫中に聖徳太子の夢告により杭全の修楽寺を改修、鳥羽上皇を本願大施主として建立したと伝える。大坂夏の陣で堂宇を焼失したが、元禄二年(一六八九)に住持となった融観大通により復興整備が行われ、融通念仏宗として幕府の公認を受けた。明治五年(一八七二)同宗は天台宗の管轄下に置かれるものの、同七年には独立が許可される。本尊は十一尊天得如来画像。
【参考】塩野芳夫「融通念仏宗の成立過程」(千葉乗隆博士還暦記念会編『千葉乗隆博士還暦記念論集 日本の社会と宗教』同朋舎出版、一九八一)、神崎寿弘「大念仏道場と看坊」(印仏研究五二—一、二〇〇三)
【執筆者:冨樫進】