滅罪生善
提供: 新纂浄土宗大辞典
めつざいしょうぜん/滅罪生善
自らの犯した罪を除滅して、往生もしくは成仏のための善根が生ずること。『無量寿経』上では「仏、阿難に告げたまわく。無量寿仏の威神光明、最尊第一なり。諸仏の光明、能く及ばざる所なり。…それ衆生あって、この光に遇う者は、三垢消滅し身意柔軟なり。歓喜踊躍して、善心生ず」(聖典一・二三七/浄全一・一三)と説き、阿弥陀仏の光明に照らされることによって滅罪生善が起こるとしている。また『観経』では「もし善男子・善女人、仏の名、二菩薩の名を聞くすら、無量劫の生死の罪を除く。何にいわんや憶念せんをや。もし念仏せん者は、まさに知るべし。この人は、これ人中の分陀利華なり。観世音菩薩・大勢至菩薩、その勝友となる。まさに道場に坐すべきをもって、諸仏の家に生ずべし」(聖典一・三一四/浄全一・五一)とあり、聞名は滅罪のみだが、念仏には滅罪生善の利益があることを説いている。
【参照項目】➡滅罪
【執筆者:曽和義宏】