聞名
提供: 新纂浄土宗大辞典
もんみょう/聞名
仏や菩薩の名号を聞くこと。『摩訶般若波羅蜜経』『放光般若経』『六十華厳』などの諸経典には、聞名を機縁として阿耨多羅三藐三菩提を得ることや仏国土へ生ずること、不退転を得るなどの諸功徳が説かれている。浄土教においてはとくに阿弥陀仏の名号を聞くことを指し、『無量寿経』『大阿弥陀経』『平等覚経』『観経』には、聞名による往生やその功徳が多数説かれている。聖冏『釈浄土二蔵義』では四十八願の願名について、第三十五聞名転女願、第三十六聞名修梵行願、第三十七聞名愛敬願、第四十一聞名具根願、第四十三聞名生貴家願、第四十四聞名具徳願、第四十五聞名見仏願、第四十七聞名不退転願、第四十八聞名得三法忍願と名づけ、聞名によって得られる功徳を強調している。
【執筆者:工藤量導】