執持法
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゅうじほう/執持法
法具の取り扱い法。法要や日常における持ち物を執持物(執持具)といい、その取り扱い方をいう。浄土宗の法式構成は、威儀部のなかに法服法・威儀法と執持法がある。法要儀式に使用する要具は多種あり、比丘・比丘尼が修道あるいは威儀のために必要なもの、法要儀式を修行するためのもの、密教での修法に用いるものがある。これらの要具はもと単に道具と称した。現今道具は、一般の調度器具等をも総称しているが、仏道を行ずるための要具を道具と称したことが転義して広く用いられるようになった。また法要中に必要なときには経巻を持ち、華籠を持つ。執持物は両手で二点までを原則とし、作法のためにできる限り手をあけておくことが大切である。さらに法服にふさわしい執持物を組み合わせることも大切な心得である(『法要集』上「法服と副具」)。浄土宗で扱う執持物は、僧具の持物関係のものであり、数珠(荘厳数珠・日課数珠・百八数珠・百万遍数珠)、払子、扇(中啓・広骨朱扇・広骨白扇)、如意、柄香炉、華籠、経本、経巻、三方等がある。
【参考】宍戸寿栄『浄土宗法儀解説』(真教寺、一九六六)
【執筆者:岡本圭示】