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可円

提供: 新纂浄土宗大辞典

かえん/可円

元禄六年(一六九三)一二月一五日—安永九年(一七八〇)六月二六日。いみなは慧恭、号は大愚。律院を建立し、菩薩戒授戒日課誓約弘通に尽力。俗姓は湯沢氏。信州伊那に生まれる。空誉の許で一三歳にして出家霊巌寺で修学を積み、敬首義灯戒律を学ぶ。関通の指示で義灯の跡を継いで律院円成寺住持となるが、自らの理解を深めるため京へ上り、湛慧からも律を学んで自誓受戒して、円成寺に再任している。美濃円満寺、洛東西光寺、洛西龍興寺などを律院として、戒を説き、広く教化に勤めた。西光寺にて弟子に看取られつつ遷化。世寿八八歳。律苑建立九箇所、受具足戒弟子一二人、一万余人に菩薩戒を授け、二四万人に日課誓約を授けたという。


【資料】『略伝集』「可円慧恭大和尚行状」(浄全一八)


【執筆者:渋谷康悦】