三昧式
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんまいしき/三昧式
葬儀を墓地、火葬場、三昧堂で行う場合をいう。荘厳、差定等はすべて露地式に準じる。三昧堂は元来悟りを得るための修行である三昧を修す堂であるが、墓所に三昧堂を建てて三昧聖が三昧を修して死者を供養したことから墓所の意に転じた。三昧堂を新設する場合は、垣または囲いは、浄土の欄楯を表し、四方に門を作る場合は、東方を発心門、南方を修行門、西方を菩提門、北方を涅槃門とし、火屋には梵焼殿との扁額をかかげる。なお、墓地あるいは葬場の入り口には多く六地蔵を安置するが、これは地蔵菩薩が、釈尊入滅後、弥勒の成道に到るまで無仏の世に住し、六道生死の衆生を教化救済するために、六体に分身摂化することに基づくもので、この信仰は古くからあり、今なお盛んに信仰されている。
【参考】宍戸寿栄『浄土宗法儀解説』(真教寺、一九六六)、宍戸栄雄『一遇』(一隅会、一九七七)、『法要集』
【執筆者:岡本圭示】