真如堂式阿弥陀
提供: 新纂浄土宗大辞典
しんにょどうしきあみだ／真如堂式阿弥陀
京都市にある天台宗真正極楽寺（真如堂）本尊の様式を模した阿弥陀像。右手は通常の来迎印阿弥陀同様第一・二指を捻るが、左手の印相が異なっており、第一・三指を捻じて第四指を曲げる点に特徴がある。京都府乙訓郡大山崎町大念寺の木造阿弥陀如来立像（国重要文化財）はこの代表的作例で、胎内納入物から、証空が自身の終焉地となった京都市西山往生院の念持仏として造立したことがわかる。なお、『西山上人縁起』（『善恵上人縁起』ともいう）によると、証空はこの像を自身の臨終仏にしたとされる。
【参考】青木淳「西山証空上人における造像の研究（一）—京都府乙訓郡・大念寺阿弥陀如来立像の造立をめぐって—」（『西山学会年報』二、一九九二）、同「西山証空上人における造像の研究（二）—京都府乙訓郡・大念寺阿弥陀如来立像における血族的結衆の背景—」（『西山学会年報』三、一九九三）【図版】巻末付録
【執筆者：藤田直信】