顕要記破文
提供: 新纂浄土宗大辞典
けんようきはもん/顕要記破文
二巻。『観無量寿経疏顕要記破文』ともいう。源信・覚運の共述。成立年代は不明。宋の源清『観無量寿経疏顕要記(十六観経記)』二巻(現存せず)について、上巻を源信が、下巻を覚運が論破したもの。至道元年(九九五)、源清が叡山に対して、自著『観無量寿経疏顕要記』二巻、『法華示珠指』二巻、『龍女成仏義』一巻、鴻羽『仏国荘厳論』一巻、慶昭『心印銘』一章の批判を求めたことによる。
【所収】『恵心僧都全集』一、仏全三一
【参考】安藤俊雄「八 恵心僧都と四明知礼」(『日本名僧論集四 源信』吉川弘文館、一九八三)、福𠩤隆善「日宋天台浄土教の交渉」(『叡山学院研究紀要』五、一九八二)、同「覚運『観無量寿経疏顕要記破文』について」(『天台学報』二五、一九八三)
【執筆者:神宮良弘】