一巻。薫誉在禅撰。大五重の肝要を略述したもので、増上寺五五世在禅が、江戸崎大念寺・飯沼弘経寺・鎌倉光明寺などで宗脈を伝授したときの講録。『五重指南目録』の初重五箇条を八箇条に、二重三八箇条を四一箇条(三重・四重・第五重は同数)とし、その伝目に基づいて三巻七書を簡潔に説いたもの。大五重は三巻七書の講義伝法と箇条の口決の全分を授ける道場であり、本書はその講伝の肝要なところを選び定めて簡略化したものである。
【所収】『伝灯輯要』下
【資料】『大五重選定略抄・惣手印決択秘抄』(常総市、弘経寺文庫一四・一五)
【執筆者:西城宗隆】