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総願偈

提供: 新纂浄土宗大辞典

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そうがんげ/総願偈

菩薩誓願が広大であることを示す偈文。「衆生無辺誓願しゅじょうむへんせいがんど 煩悩無辺誓願ぼんのうむへんせいがんだん 法門無尽誓願ほうもんむじんせいがんち 無上菩提誓願むじょうぼだいせいがんしょう 自他法界利益じたほうかいどうりやく 共生極楽仏道ぐしょうごくらくじょうぶつどう」。上求菩提・下化衆生四弘誓願に自他法界以下の二句を付けたもので『往生要集』(浄全一五・七〇上~中)による。五念門のうち作願門の項に一句ずつ説明している。菩薩の度・断・知・証の四つの誓願を立て、自分と衆生と共に極楽に生まれ、この四弘誓願を成就しようと願う意。源信は『摩訶止観』(正蔵四六・五六上)にある四弘誓願を『往生要集』に引用改変し、浄土教解釈を加えてこの偈とした。『浄業課誦』五二ウ(享保二〇年〔一七三五〕)にはすでに『往生要集』を出典として「四弘誓願」と題し載せる。『浄土宗法式精要』(大正一一年〔一九二二〕)に「総願偈」と出る。


【参考】『浄土宗日常勤行式の総合的研究』(浄土宗総合研究所、一九九九)


【参照項目】➡四弘誓願


【執筆者:巖谷勝正】