極楽浄土の蓮華は阿弥陀仏の正しいさとり(正覚)によって生じた華であることをいう。世親『往生論』の願生偈の眷属功徳成就には「如来浄華の衆正覚の華より化生す」(聖典一・三五七/浄全一・一九二)とあり、仏のさとりを蓮華にたとえて、極楽浄土の聖衆が阿弥陀仏の正しいさとりによって化生した者であるとしている。同功徳について曇鸞『往生論註』は「我が国土をして悉く如来浄華の中に於いて生じ、眷属平等にして与奪路なからしめん」(浄全一・二二七下)という阿弥陀仏の誓願の成就相として捉える。
【参照項目】➡正覚
【執筆者:石川琢道】