五十三仏
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ごじゅうさんぶつ/五十三仏
一
世自在王如来以前に出現した五三の仏のこと。『無量寿経』上に「錠光如来、世に興出して…かくのごとき諸仏、皆悉くすでに過ぎたまえり」(聖典一・二一九~二〇/浄全一・四)とあり、世自在王如来以前に出現した仏の名が挙げられている。その一々を列挙すると、錠光、光遠、月光、栴檀香、善山王、須弥天冠、須弥等曜、月色、正念、離垢、無著、龍天、夜光、安明頂、不動地、瑠璃妙華、瑠璃金色、金蔵、燄光、燄根、地動、月像、日音、解脱華、荘厳光明、海覚神通、水光、大香、離塵垢、捨厭意、宝燄、妙頂、勇立、功徳持慧、蔽日月光、日月瑠璃光、無上瑠璃光、最上首、菩提華、月明、日光、華色王、水月光、除痴瞑、度盍行、浄信、善宿、威神、法慧、鸞音、師子音、龍音、処世である。なお、同本異訳のうち、『大阿弥陀経』『平等覚経』『大宝積経無量寿如来会』『大乗無量寿荘厳経』『梵文無量寿経』には、それぞれ出現の数に異なりがある。
【執筆者:三輪隆就】
二
三劫三千仏が因位において聞持した仏の名号に五三あることをいう。『三劫三千仏縁起』(正蔵一四・三六四下)によると、釈迦仏は無数劫の昔、出家学道して五十三仏の名を聞き、心に歓喜を生じて他人をして聞持せしめて、皆、異口同音に諸仏の名を称して一心に敬礼したという。『観薬王薬上二菩薩経』(正蔵二〇)、『観虚空蔵菩薩経』(正蔵一三)にも同様の記述がある。
【執筆者:竹内正俊】