みめんしょうじししゅ／未免生死四修

いまだ生死輪廻の世界から逃れることができないでいる浄土往生願生者が実践する生活規範のこと。已免生死四修の対。已免生死四修とは、往生ののち上位の菩薩が修する四修の行は自然に具足されること。善導は『往生礼讃』の中で四修について述べた後、「菩薩は已に生死を免れて、所作の善法を回して仏果を求めるは、即ち是れ自利なり。衆生を教化して、未来際を尽くすは、即ち是れ利他なり。然るに今時の衆生は、悉く煩悩に繫縛けばくせられ、未だ悪道生死等の苦を免れず。随縁起行して一切の善根具つぶさに速やかに回しぬ。阿弥陀仏国に往生せんと願ず。彼の国に到り已れば、更に畏るる所なし。上の如く、四修自然任運にして自利利他具足せざるなし」（浄全四・三五六上／正蔵四七・四三九上）と説いている。これを受け良忠は『東宗要』四に「上には未免生死の凡夫に約して穢土の四修を勧め、畢おわりて已免生死の菩薩の所具の四修は、彼土に於いて任運に具すべしと釈するなり」（浄全一一・九七上）としている。

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【資料】『決疑鈔』四、『釈浄土二蔵義』二一、『選択集秘鈔』四

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【参考】石井教道『浄土の教義と其教団』（宝文館、一九二九）、同『選択集全講』（平楽寺書店、一九九五）

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【執筆者：髙橋寿光】