峰島旭雄
提供: 新纂浄土宗大辞典
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みねしまきょくおう/峰島旭雄
昭和二年(一九二七)—平成二五年(二〇一三)一〇月一六日。光蓮社叡誉哲阿諦学。比較宗教哲学者。東京市芝区(東京都港区)芝公園の増上寺塔頭広度院に峰島洲旭の長男として生まれる。昭和一三年(一九三八)一月に得度し、同二三年一一月に増上寺椎尾弁匡より宗戒両脈を相承、同二四年二月に広度院住職となる。旧制芝中学校、旧制山形高校、同二六年に大正大学を卒業し、同大学院修士課程を経て、早稲田大学大学院博士課程を修了。同四三年に早稲田大学商学部教授、同五八年に同大学社会科学研究所所長を兼任し、平成一〇年(一九九八)に同大名誉教授となる。また、芝学園講師、大正大学非常勤講師、アメリカ・デポー大学交換教授、文京女子大学教授などを歴任。カントを中心とした西洋近代哲学の研究、日本近代思想研究、仏教思想と比較宗教哲学の研究をはじめ、中村元のもとで比較思想という新たな学問分野の開拓に献身。比較思想学会の創設と発展に携わり、宗教・国籍・性別・年齢・学閥を問わず、それぞれの異なる立場の思想を発露し、融合を試み、分かち合う場を創るために、学問のみならず、学会運営にも役割を果たし、同会長を務めた。この他、日本デューイ学会会長、学校法人芝学園理事長、岳蓮社住職、浄土宗教学院副理事長、東方学院理事、三康文化研究所研究指導員等も歴任。これらの業績によって、同二〇年に瑞宝中綬章を受章した。生涯、宗教(信仰)と思想(哲学)と教育(理論と実践)を学問の基幹とした。著書に、『浄土教思想の比較宗教哲学的研究』、『浄土教とキリスト教 比較宗教哲学論集』、ヤスパース『仏陀と龍樹』(翻訳)、『近代の法然論』(共著)、『概説 西洋哲学史』、『比較思想事典』(責任編集)、『峰島旭雄選集』全三巻等多数。世寿八五歳。
【参考】『峰島旭雄選集』三(北樹出版、二〇一三)
【執筆者:西城宗隆】