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芝学園

提供: 新纂浄土宗大辞典

しばがくえん/芝学園

学校法人。東京都港区芝公園。芝中学・高等学校を擁する。仏教精神に基づく人格教育を理念とする。明治二〇年(一八八七)浄土宗が学制を定め、東京宗学本校のもとに全国に八支校を設立し、学校教育による僧侶教師養成を始め、その中の浄土宗学東京支校が芝学園の前身である。同二二年一〇月現在地の芝公園岳蓮社に移され、同三一年八月に浄土宗の学制改定によって第一教区宗学校と校名が改められた。同三九年三月組織を改め芝中学校とし、中学校令によって文部大臣の認可を得て、宗門子弟の教育とともに一般子弟の教育にもあたるようになった。その後、大正五年(一九一六)一〇月、浄土宗の学制改革で宗学校部門は長い歴史の幕を閉じることとなった。当初の生徒数は二六六名にすぎなかったが、大正に入って六〇〇名に達し、その後訓育の成果とあいまって東京都内の中学の中においてその頭角を現した。中学校の初代校長は松濤賢定、二代荻原雲来、三代渡辺海旭である。渡辺校長は芝学園の校訓である「遵法自治じゅんぽうじち」を創唱し、爾後、芝学園はこの校訓のもとに研鑽を続けている。同年二月、火災によって校舎はすべて灰燼に帰したが、同八年三月に再建された。同一二年の関東大震災では幸いにも最小の損害に終わり、同一五年に創立二〇周年をむかえ、生徒数は九六一名、卒業生は約二千名を数え、麻布・開成とともに私立中学の御三家と並び称されるようになった。第六代校長中島真孝は戦中戦後を通じて校長の任にあたり、戦災によって灰燼に帰した学校の再建に心血を注いだ。昭和二三年(一九四八)三月、進駐軍の指示によって学制の改革が行われ、旧制の芝中学校は芝高校と改められ、新たに芝中学校が併置されることとなった。同二六年四月、学校法人芝学園が設立され、この法人のもとに中学校・高等学校を通じての六ヶ年一貫教育が施されることとなった。平成一八年(二〇〇六)一一月、芝学園は一〇〇周年を迎え、創立以来約二万五千名の卒業生を輩出している。これらの卒業生は日本の社会のみならず、国際的にもその活躍は目覚ましいものがあり、中高一貫の六ヶ年にわたる仏教精神に基づく人格教育と、各教科教育の充実の結果、大学受験実績を含め、社会から高い期待と信頼を得ている。


【執筆者:小林良信】