発露懺悔
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:33時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ほっろさんげ/発露懺悔
過去から現在にいたるまでに作ってきた罪や悪業を、隠すことなくすべて懺悔告白すること。発露悔過ともいう。諸経典にもしばしばみられ、『大般涅槃経』六には「罪を犯すことあらば教えて発露懺悔して滅除せしむ」(正蔵一二・三九六下)とあり、また『大方等大集経』二九には「過去の穢行を発露懺悔し、現世の諸悪は乃至失命まで終に之をなさず」(正蔵一三・二〇三上)とある。善導はさまざまな懺悔を説いているが、『往生礼讃』では「或は四衆に対し、或は十方の仏に対し、或は舎利尊像大衆に対し、或は一人に対し、若しくは独自等なり。また十方尽虚空の三宝及び尽衆生界等に具さに向かいて発露懺悔す」(浄全四・三七四上/正蔵四七・四四七上)と述べ、また『仏名経』を引いて「いま三宝の前・法界の衆生の前にて発露懺悔して敢えて覆蔵せず」(同)と述べている。さらに『法事讃』上にも身口意三業に犯した罪を懺悔すべきことを説き、それぞれ懺悔文を唱えたあとに、「いま道場の凡聖に対し発露懺悔し、永く尽くして余なからしめよ。懺悔しおわり至心に阿弥陀仏に帰命したてまつる」(浄全四・二七下~八下/正蔵四七・四三六中~下)とある。『観念法門』でも、身口意業によって造られた罪をありのままに発露懺悔し、懺悔したならば念仏すべきことを説いている。
【執筆者:齊藤隆信】