一巻。『導意抄』『善導大意抄』ともいう。良遍撰。寛元四年(一二四六)成立。当時流行していた法然門流の善導教義解釈に南都法相宗の立場から一石を投じたもの。三心・四修・専雑・正雑・本願・念仏・制悪・本師・礼讃・経宗・報化・私尋の一二篇からなる。奥書に「善導の大意、この趣のごとし。世間の風聞、大いに以て信じ難し。よりて解釈をひらき、愚推を回らすのみ」(浄全一五・五八三下)として、法然門流を批判している。
【所収】浄全一五
【参考】坂上雅翁「『善導大意』諸本について」(『法然学会論叢書』五、一九八五)
【執筆者:坂上雅翁】