経典をよりどころとして開かれた宗旨のこと。一般的には真言・華厳・天台・浄土・日蓮などが経宗とされる。聖冏『教相十八通』では経宗・論宗・釈宗の三種に分類して、経宗は真言・華厳など、論宗は成実・俱舎・法相・三論など、釈宗は天台などとする独自の解釈を施したうえで、「浄土宗は三宗の中には是れ経宗なり」(浄全一二・七三六上)と主張する。すなわち、浄土宗は「浄土三部経」をよりどころにした宗派である。
【参照項目】➡経宗・経体
【執筆者:工藤量導】