先進
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:28時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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せんしん/先進
導師大衆などを誘引する僧の役職名。①堂内の法要が始まるとき、集会所で序列(席次)を決め、「袈裟被着偈」の句頭を発声し、先頭に立って引鏧を適宜に打って導師大衆を先導する。退堂のときも引鏧によって威儀を正して退堂し、集会所で入堂の序列にもどり、「帰僧息諍論の文」の句頭を発声する。この役は式衆の先頭に立つ人または維那があたる。②落慶式・晋山式などの堂外で行列を組むときは、先進が柄香炉を持ち、または洒水をしつつ行道をする。③増上寺御忌大会では唱導師・式衆・随喜寺院・稚児などのそれぞれの先頭に会奉行・会行事・典謁・巡検・天童などと呼ぶ、先進とは別の役職者が先導している。④『一遇 日常勤行式』では、引鏧を持って全体を先導して入退堂の案内をする僧を先進とし、柄香炉を持って導師などを先導する僧を引僧と区分している(五九、一遇会、一九八二)。引僧は導師の先導をして導師座についたら柄香炉を置いて、そのまま退くとしている(『一遇 日常勤行』一三一、一遇会、一九七四)。先進と引僧の柄香炉の持ち方は、「右手で柄の手前を握り、左手で柄の中央を受け、香炉を前方にして捧持する」と『法要集』に規定している。
【参照項目】➡引僧
【執筆者:西城宗隆】