帰僧息諍論の文
提供: 新纂浄土宗大辞典
きそうそくじょうろんのもん/帰僧息諍論の文
法要後に集会所で唱える文。「帰僧息諍論 同入和合海」。「三帰礼」よりの一文。『往生礼讃』には、「礼懺已一切恭敬…帰僧息諍論 同入和合海 願共諸衆生回願往生無量寿国」(浄全四・三五九~六〇)とある。論争をやめる僧に帰依し、共に和やかに相和している大海のような集まりに入り、心を一つにして行動を共にしよう、の意。日常勤行では、はじめに「三宝礼」を唱えて三宝に帰依する。法要の締めくくりにも「三身礼」または「三帰礼」を唱えて篤く三宝帰依を示し、大衆とともに善根を振り向け浄土に生ずることを願って恭敬、礼拝する。法要の開始にあたり衆会所で「袈裟被着偈」を唱え、法要終了時に「帰僧息諍論の文」を唱えて袈裟をはずす。関東においては「…同入和合海」までを唱えるが、関西方面では「帰僧息諍論…無量寿国」と全文を唱えている。
【参照項目】➡三帰礼
【執筆者:福西賢兆】