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念仏無上醍醐編

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ねんぶつむじょうだいごへん/念仏無上醍醐編

三巻。尾張八事山興正寺五世の妙龍諦忍)撰。元文五年(一七四〇)刊。著者は真言宗の僧だが、浄土宗伝法相承するほか、神儒仏の三教に通じた。本書は念仏密教の最上の教えとする立場の述作で、「念仏即無上醍醐」ほか全一七項と巻末の追加・付録からなる。秘密念仏を「念仏即ち真言真言即ち念仏にして無二無別なり」(続浄一五・四八上~下)と説き、その現世主義や念仏祈禱観がみられる。また覚鑁かくばん以来の秘密念仏思想を継承しつつも、覚鑁が切り捨てた指方立相を浮かび上がらせている。


【所収】続浄一五、仏全七〇


【参考】長谷川匡俊『近世浄土宗の信仰と教化』(渓水社、一九八八)


【執筆者:長谷川匡俊】