剃度式
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年9月17日 (月) 10:09時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ていどしき/剃度式
信者を在俗の姿のまま仏弟子にする儀式。五重相伝や授戒会中に行うことが多い。これに対して僧侶となるために剃髪出家する儀式を得度式という。浄土宗の剃度式は得度式を簡略にしたもので、和上の高座を外陣向きに設け、その前に受者代表席を置いて、教授師が受者を指南して儀式を進める。受者に対する和上の主な作法は、迷いの世界を離れて仏門に入り、浄土において覚りを目指すことこそが大恩に報いる道である旨を説いて(説偈)、報恩偈「流転三界中 恩愛不能断 棄恩入無為 真実報恩者」を一句ずつ受者に復唱させる。仏の智水をそそぐ灌頂の後、右手で剃刀を香煙に薫じ、左手に持ちかえて、右手に小三鈷の印を結んで甘露葷荼利呪「オン アミリテイ ウンパッタ」を三遍微誦して剃刀を加持する。次に剃刀を右手に持ち直して受者の頭頂部に当て、剃髪偈を誦して、御髪剃の作法を行い、これを剃度作法に凝す。仏弟子の証である袈裟を授け、三宝に帰依し仏弟子として精進することを誓う三帰三竟を授与する。さらに仏弟子としての生活を諭して度牒・経本を授け、終わりに剃度式を機縁に日々称名相続することを勧めて、日課念仏を授与する。
【参照項目】➡剃度作法、御髪剃、剃髪、剃髪偈、報恩偈、得度式
【執筆者:熊井康雄】