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流転

提供: 新纂浄土宗大辞典

るてん/流転

生死という迷いの生存が断絶することなく、三界六道輪廻りんねすること。輪廻と同意。一般的にⓈpravṛttiの訳語とされる。これとは逆に、再び迷いの生存をうけることなく涅槃にいたることを還滅げんめつ(あるいは還滅門)という。四諦したいにおいては苦諦集諦じったい、十二縁起においては無明から老死までの生および有をみることが流転門である。法相宗においては二四ある心不相応行法のうちの一つ。浄土教では、『観経疏散善義(聖典二・二八九/浄全二・五六上)の三心のうち「深心」の部分において、凡夫は罪障の身であるから自力では迷いの世界にさまよい、救われることがなく、それ故に他力によるべきであると述べられている。


【資料】『順正理論』七


【参照項目】➡輪廻


【執筆者:薊法明】