ていはつげ/剃髪偈
髪を剃る、剃度作法のときに唱える偈文。除髪偈ともいう。「剃除鬚髪 当願衆生 断除煩悩 究竟寂滅」の偈文。ひげと髪の毛を剃り落とすとしたならば、衆生は煩悩を断ち除き、必ず覚りにいたることを願いなさいという意。第三句を『六十華厳』では「断除煩悩」(正蔵九・四三〇下)と訳し、『八十華厳』では「永離煩悩」(正蔵一〇・七〇上)と訳している。『法要集』記載のものは、『六十華厳』に基づく。出家する新発意のための得度式と、五重相伝などでの檀信徒のための剃度式に和上がこの偈文を唱えて作法をする。また、枕経などで新亡に剃度作法するときにも導師がこの偈文を唱える。
【参照項目】➡剃度式、剃髪
【執筆者:神尾敏英】