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「五姓各別」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版

ごしょうかくべつ/五姓各別

有情修道論の観点から声聞種姓・独覚種姓・菩薩種姓・不定種姓・無性有情の五つに分類する唯識宗(法相宗)の説。姓は性とも書く。声聞種姓・独覚種姓は、小乗の修行によりそれぞれ阿羅漢果・独覚果を得るが、無余涅槃に入り灰身滅智けしんめっちするため、成仏はしない者。これを定性二乗ともいう。菩薩種姓は、大乗の修行により大菩提を得、大涅槃を証して成仏する者。不定種姓は、小乗の修行から大乗の修行に転向(廻心向大)して成仏する者。無性有情は、修行により人天の果を得ることもあるが、成仏はできない者である。声聞種姓・独覚種姓・菩薩種姓にはそれぞれの証果をもたらす無漏種子があり、不定種姓には声聞独覚菩薩のいずれかの無漏種子があるが、無性有情には無漏種子がないとされる。これによれば、成仏できるのは菩薩(大乗)の無漏種子を持つ菩薩種姓と不定種姓のみであり、定性二乗と無性有情成仏できないということになる。


【資料】『仏地経論』二、『成唯識論』二


【執筆者:吉村誠】