「踊り念仏」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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おどりねんぶつ/踊り念仏
踊り手自身が鉦を打ち、念仏や和讃を称えながら行う宗教儀礼をいう。空也、一遍、一向など平安中期から鎌倉時代に活躍した遊行聖が各地で行った踊り念仏が浸透し、念仏という信仰的側面を基本としながら先祖供養・五穀豊穣・疫病退散などの念仏信仰と関連し様々な踊り念仏が伝承された。一三世紀末頃から次第に芸能・娯楽化し郷土芸能や民俗行事としての念仏踊りや盆踊りに発展した。現在、踊り念仏は、山形県天童市仏向寺(浄土宗宗宝)、長野県佐久市跡部西方寺(国重要無形民俗文化財)、神奈川県藤沢市遊行寺などに伝承されている。秋田県雄勝郡羽後町西馬音内の盆踊(国重要無形民俗文化財)、福島県いわき市じゃんがら念仏、佐賀県伊万里市山代の大念仏など踊り念仏から発展した念仏踊りも各地に伝承されている。
【参考】佛教大学民間念仏研究会編『民間念仏信仰の研究 資料編』(隆文館、一九六六)、五来重『踊り念仏』(平凡社、一九九八)、八木透編著『京都の夏祭りと民俗信仰』(昭和堂、二〇〇二)、全国浄土宗青年会編『伝承念仏取材報告書』(二〇〇〇)
【参照項目】➡念仏踊り
【執筆者:長澤昌幸】