宗宝
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゅうほう/宗宝
浄土宗にとって歴史上貴重であり、しかも由緒があると認められる文化財を、宗宝保護規定(宗規第一〇八号)に基づいて指定したもの。対象となる文化財は次の通りである。①有形文化財(典籍、書跡、古文書、絵画、彫刻、工芸品、建造物、その他の有形の文化的所産)、②無形文化財(儀礼、芸能、その他の無形の文化的所産)、③史跡(宗史上に由緒のある土地)である。浄土宗ではこれらの文化財のうち、宗史上および教義上において、歴史的または学術的意義があり、文化的遺産として極めて価値の高いもので、所有者または管理者から申請のあったものを宗宝に指定している。指定された宗宝は浄土宗の宗宝台帳に登録し、その所有者または管理者に指定書を交付するとともに、宗報に告示している。宗宝の指定は宗宝保護審議会の諮問を経て決定、または解除される。平成二七年(二〇一五)七月現在、浄土宗の宗宝に指定されている文化財は次の通り。①有形文化財一四五件、②無形文化財四件、③史跡五件である。この内に含まれていないが、国指定の国宝・重要文化財で浄土宗関係者の所有にかかるものは無審査で宗宝扱いである。
【執筆者:宇高良哲】