「得度式」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:30時点における最新版
とくどしき/得度式
仏門に入って、剃髪出家し僧となる式、度牒を得る式の意。度は「渡」の意味で、迷いの世界からさとりの彼岸に渡ること。転じて、剃髪して僧侶となる式をいう。檀信徒に対する式は剃度式という。剃髪出家を「度」というのは、出家が彼岸に到る最初の階梯なる故である。道場を荘厳し、高座を外陣向きに設け、その前に受者である新発意の席を設ける。高座上に洒水器、袈裟、取名許状、数珠、聖典、剃刀を用意する。内陣に先祖の位牌を奉安し、教授師、唄師、証明師の座を設ける。教授師は新発意の脇に付き添い、親戚法類はその後方に座る。得度のときの師を和上という。得度式の入門儀礼は、道宣の『四分律行事鈔』に依るところが多い。まず、新発意は眼前の師等に和上および証明師となって頂くことを請う文を唱える。和上は開導で得度式の意義を説き、「報恩偈」の意味を説く。その後、新発意は、椎髻のみを残して剃髪するために、いったん退堂し、俗服から法衣に改めて入堂する。和上は灌頂洒水をし、剃髪をする(剃度作法)。新発意は袈裟を被着してから三帰三竟の文を唱え、和上は経典・数珠を授与し、日課念仏を誓わせ、真の仏弟子となった証として度牒を授与する。
【執筆者:廣本榮康】