「授戒三聖図」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 10:08時点における版
じゅかいさんしょうず/授戒三聖図
正授戒のときに本尊として奉安する絵図。戒壇釈迦三聖図、授戒本尊図ともいう。比叡山延暦寺の戒壇院にまつられている釈迦如来座像、文殊・弥勒両菩薩像を描いたものである。戒壇院は、最澄が大乗戒壇の建立を要望し、その入寂の直後に建立の勅許がおりて創建された。その本尊である釈迦・文殊・弥勒の三聖は最澄が『顕戒論』(正蔵七四・六〇八上)において、『観普賢菩薩行法経』に依る授戒形式を採用したことに依る。釈尊を和尚とし、文殊菩薩を羯磨師、弥勒菩薩を教授師とし、十方の諸仏を証明師とし、十方の諸菩薩を同学等侶とする授戒形式(正蔵九・三九三下)である。この形式は荊渓湛然の『授菩薩戒儀』(浄全一五・八七三)等に基づくところである。天台宗の敬光(一七四〇—一七九五)は『大乗比丘十八物図』(一一丁右)第四仏像、第五菩薩像の項に絵図(文殊・弥勒が僧形)を示して授戒の三聖の図を護持すべきであるとしている。
【参考】恵谷隆戒『円頓戒概説』(浄土宗、一九六五)
【参照項目】➡正受戒
【執筆者:大澤亮我】