延暦寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
えんりゃくじ/延暦寺
大津市坂本本町。日本天台宗の総本山。比叡寺、比叡山、叡山、北嶺とも呼称される。最澄が延暦七年(七八八)、比叡山の山頂近くに一乗止観院を建立したのが始まり。同二四年、最澄が唐より帰朝し天台宗を開く際に、根本中堂と改称された。平安京の鬼門の方角に位置することから、桓武天皇によって王城鎮護の道場とされ、次第に栄え拡大していった。嵯峨天皇より弘仁一三年(八二二)、最澄が没した七日後に大乗戒壇の設立が許可され、その翌年に「延暦寺」の寺号を賜った。比叡山一帯をその寺領とし、東塔・西塔・横川の三塔と一六の谷に区分される。日本の浄土教を育んだ聖地でもあり、根本中堂を中心とする東塔には、皇円のもと法然が得度した功徳院(現・法然堂)があり、西塔には法然が隠遁した黒谷青竜寺がある。また横川には良源や源信が活動した恵心院がある。法然をはじめ聖光、親鸞、一遍などもこの地で研鑽を積んだ。また栄西、道元、日蓮をも輩出している。
【参照項目】➡比叡山
【執筆者:齋藤蒙光】