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「自覚覚他」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版

じかくかくた/自覚覚他

自らの覚悟を獲得し、さらに他の衆生を自らと同じく成仏に導くこと。覚とはさとり、開悟の意。浄影寺慧遠大乗義章』二〇末に「既に能く自ら覚り、た能く他を覚らせしめ、覚行を窮満するが故に名けて仏と為す」(正蔵四四・八六四下)といい、続けて「いわく自覚と言うは凡夫を簡異し、云く覚他と言うは二乗を明異す」(正蔵四四・八六四下)という。自覚覚他を合わせて二覚、覚行窮満も加えて三覚という。『法華経譬喩品に「若し衆生有りて仏世尊より法を聞き信受し勤修精進して一切智、仏智、自然智、無師智と如来の知見と力と無所畏とを求め、無量衆生を愍念して安楽とし、天人利益し、一切を度脱すれば、是れを大乗と名く」(正蔵九・一三中)とあるように、自覚覚他大乗仏教の表明する基本的立場であり、その達成を目指すのが菩薩道、またそれを成就した存在が仏である。浄土宗において共生還相回向が説かれるのも、この浄土門がまさに大乗であることの証左にほかならない。また良忠伝通記』玄義分記三(浄全二・一三七上)に詳説される。


【執筆者:小澤憲雄】