「意趣」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:19時点における最新版
いしゅ/意趣
もともとは意図、目的、志向という意味。Ⓢabhiprāyaの訳。玄奘訳『摂大乗論釈(世親釈)』では「仏・世尊は、先に此の事を縁じ、後に他の為に説く、是れを意趣と名づく」(正蔵三一・三四六上)とあり、仏や菩薩が成道や修行に余り関心を寄せない人々を仏道へと導く意図と目的のもとにおいて行う教説のこととしている。また同書ではこの意趣に、①平等の意趣②別時の意趣③別義の意趣④補特伽羅の意楽の意趣の四種を挙げている。この中の別時の意趣が隋代から唐代中期にかけて別時意説として議論されることとなる。
【資料】真諦訳『摂大乗論』中、『同釈論』六、『大乗荘厳経論』六、『大乗阿毘達磨雑集論』一二
【執筆者:柴田泰山】