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意趣

提供: 新纂浄土宗大辞典

いしゅ/意趣

もともとは意図、目的、志向という意味。Ⓢabhiprāyaの訳。玄奘訳『摂大乗論釈(世親釈)』では「仏・世尊は、先に此の事を縁じ、後に他の為に説く、是れを意趣と名づく」(正蔵三一・三四六上)とあり、仏や菩薩成道修行に余り関心を寄せない人々を仏道へと導く意図と目的のもとにおいて行う教説のこととしている。また同書ではこの意趣に、①平等意趣別時意趣③別義の意趣補特伽羅ふとがら意楽意趣の四種を挙げている。この中の別時意趣が隋代から唐代中期にかけて別時意説として議論されることとなる。


【資料】真諦訳『摂大乗論』中、『同釈論』六、『大乗荘厳経論』六、『大乗阿毘達磨雑集論』一二


【参照項目】➡四意趣別時意会通


【執筆者:柴田泰山】