「坐具」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年9月17日 (月) 10:08時点における版
ざぐ/坐具
僧侶の持つべき六物の一つ。Ⓢniṣīdana。尼師壇ともいう。坐臥するとき、下に敷く長方形の布製敷物。虫などから身を守り、三衣などのよごれを防ぐためのものであった。中国・日本では仏像・師表を礼拝するときに用いるようになった。坐具の本体は麻製で、中央を二重とし、周囲に縁布と四隅に四天と称する別布を付ける。三衣と同様にもとは壊色のものであったが、周囲に金襴の布を付けた顕色のものも作られるようになった。顕色は荘厳服、壊色は壊色の法服被着のときに用いる。畳み目を左手の小指にかけ、浄端を内方にして右手で先端を持ち、斜めにして胸前にあてて持つ。着座とともに、浄端を左上面にして膝前に置く。伴僧がつく場合、導師着座のときは、坐具の浄端を左上面にして導師の膝前に置く。入退堂・庭儀式等のときは伴僧が預かり、膝前に置いた向きのままで胸前に両掌を上向きにして捧持して導師に従う。展坐具法は以下の通りである。坐具の浄端を内側にして、右手で左腕の法衣の上、袈裟の下にかける。展坐具の作法は、右手で浄端を持ち、袈裟の下から内側に坐具を取り出し、左腕からはずす。左右の手で上部の両端を持って胸前にひろげる。左足から右足と両足を下端にかけてからそのまま座る。ただし坐具は正方形になるように浄分を折り返し、触分に坐る。立つときは、右手で浄端の畳み目三ヶ所を右より順次につまみ上げ、両足指で下端を踏み押さえ、そのまま立ち上がる。右足左足と下端より足指をはずし、右手でととのえてから元のように左腕に外から内側へかける。たたみ方は、浄端を右手で持ち、左腕からはずして、浄端を内側に折り、次に外側に折りたたむ。また大坐具とは、密室道場伝法分の第二「坐具の伝」の表顕である。伝灯仏と伝灯師・受者全員が一蓮托生の思いをなすために、道場一面に大坐具を敷きつめて同座する。檀信徒用の数珠袋は、片面に縁布と四天を付けた物を坐具と称している。
【執筆者:金子泰蔵】