「隆寛律師伝説の詞」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
りゅうかんりっしでんせつのことば/隆寛律師伝説の詞
四篇。隆寛に法然より伝わったとされる法語。一つは、法然もかつては念仏の他に『阿弥陀経』を三巻(唐音〔漢音〕、呉音、訓読)読誦していたが、『阿弥陀経』には念仏せよとだけ書かれているため経典読誦はやめ、一向に念仏したという内容。二つに、中国の善導が浄土宗を立てるには、三経一論を正依、曇鸞・道綽を祖師とし、正しく凡夫のため、傍らに聖人のためであって、行は称名念仏、期する所は来迎であるとする内容。三には、慈円のもとで活躍する隆寛が浄土門に思い入れがあるとはありがたいことであるとして、浄土の法門を丁重に授けたとする内容。四つには、『選択集』を早く書写して被読し、不審なことがあれば尋ね、法然が存生中は披露してはならず、死後も流布させてはいけないと説かれたという内容。隆寛が伝聞した詞は弟子の信瑞が撰述した『明義進行集』『広疑瑞決集』に残っており、ここから『四十八巻伝』や『隆寛律師略伝』に転載されている。法然へ近づく段階で隆寛が慈円のもとで活躍していたという史実通りの記述がみえている。
【所収】昭法全
【参照項目】➡隆寛、法然上人行状絵図、隆寛律師略伝、明義進行集、広疑瑞決集
【執筆者:伊藤茂樹】