「念仏無上醍醐編」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
Seishimaru (トーク | 投稿記録) 細 (1版 をインポートしました) |
|
(相違点なし)
|
2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版
ねんぶつむじょうだいごへん/念仏無上醍醐編
三巻。尾張八事山興正寺五世の妙龍(諦忍)撰。元文五年(一七四〇)刊。著者は真言宗の僧だが、浄土宗の伝法を相承するほか、神儒仏の三教に通じた。本書は念仏を密教の最上の教えとする立場の述作で、「念仏即無上醍醐」ほか全一七項と巻末の追加・付録からなる。秘密念仏を「念仏即ち真言真言即ち念仏にして無二無別なり」(続浄一五・四八上~下)と説き、その現世主義や念仏即祈禱観がみられる。また覚鑁以来の秘密念仏思想を継承しつつも、覚鑁が切り捨てた指方立相を浮かび上がらせている。
【所収】続浄一五、仏全七〇
【参考】長谷川匡俊『近世浄土宗の信仰と教化』(渓水社、一九八八)
【執筆者:長谷川匡俊】