「観察」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:21時点における最新版
かんざつ/観察
智慧をもって対境を分別照見すること。観とも称する。ⓈvipaśyanāⓅvipassanā。毘婆舎那と音写する。奢摩他(止)と対となり、併せて止観という。実践上は、奢摩他によって心の散乱を止め、そこに生じる慧によって対境を照見すること。世親『往生論』で、五念門のうち第三に作願門として奢摩他を配し、次いで第四に観察門として毘婆舎那を置くのは止観の関係を示すものである。『往生論』では観察について、「云何が観察する、智慧をもて観察す。正念に彼を観じて、如実に毗婆舎那を修行せんと欲するが故に」(聖典一・三六二/浄全一・一九三)として観察が智慧によるものであることを明らかにする。観察の対境は多岐にわたる。『往生論』では「彼の観察に三種有り」として、仏国土荘厳功徳、阿弥陀仏荘厳功徳、諸菩薩荘厳功徳の三種を挙げ、さらにそれぞれを細分して三種二十九句荘厳功徳とする。また善導は五種正行の中の観察正行について、「一心にかの国の二報荘厳を専注、思想、観察、憶念し」(『観経疏』散善義、聖典二・二九四/浄全二・五八下)と極楽の依正二報を挙げる。
【参照項目】➡観、止観、三種二十九句荘厳功徳
【執筆者:齊藤舜健】