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「霊膳」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年9月17日 (月) 10:09時点における最新版

れいぜん/霊膳

仏前に供える膳。霊供りょうぐ膳またはお膳・仏膳ともいう。膳は懸盤かけばん宗和そうわ膳または三方で朱・黒塗りのものを用いる。霊膳には飯椀・汁椀・壺椀・平椀と高坏たかつきに、調理した一飯一汁三菜の精進料理を供える。ご飯(飯椀)・汁物(汁椀)と煮物(ひら)・酢の物(壺)・香の物(高坏)などを供える。その椀類の配置には諸説があるが、仏前側にご飯と汁物を供える。午前中に「半斎供養式」で浄箸作法などをして供える。これを「霊膳供養」と称したこともある。仏壇には仏飯ぶっぱん器で飯を山状に盛って毎日供え、命日などに霊膳を供えることが多い。『山門通規』には、「毎朝の御膳並びに御忌日の高盛、入念に清浄仕り備え奉るべきの事」(『増上寺史料集』三・三五)とある。諦忍浄業修行次第附録』四には、「如来御膳、同亡者の霊膳、僧衆等供養すべし」(一九ウ)とあり、仏前には御膳、霊前には霊膳と区分している。葬列のときには、喪主の妻(原則として)が霊膳(白木)を持った(五来重『葬と供養』〔九〇六頁、東方出版、一九九二〕)。『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』下の「野送持物之次第」には、位牌導師・霊供・がんとある(一二オ)。


【参照項目】➡半斎供養式陰膳


【執筆者:西城宗隆】


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