「善導大師伝」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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ぜんどうだいしでん/善導大師伝
杓𣏌菴一禅居士(生没年不明)編輯、万延元年(一八六〇)刊行。『三国七高僧伝図会』に収録される善導の伝記。『三国七高僧伝図会』はインド・中国・日本にわたる浄土教の高僧のあらゆる伝記を集録編纂したもので、『善導大師伝』は「震旦之巻」末尾に収録されている。編者は「善導大師伝」と称して、文諗・少康『往生西方浄土瑞応刪伝』、王古『新修浄土往生伝』、遵式『往生西方略伝』、忍澂『善導大師別伝』、『浄土安心集』などを中心に、善導に関する伝記を集め比較検討している。単なる伝記集ではなく、善導の教義や、それに対する法然の解釈を加え、浄土門の口伝内容も記している。内容は「第一、善導経蔵に入って有縁の経を探す」「第二、善導夢に浄土の諸相を見る、並びに諸説」「第三、善導入滅異説、並びに屠児京宝蔵捨身往生」の三部で構成されている。また『三国七高僧伝図会』「本朝之巻」に収録されている人物は源信と法然、附録として聖徳太子のみであるが、帝国文庫(博文館)はそれに新たに日本の他宗の高僧伝を加え『仏教各宗高僧実伝』全として刊行している。
【参考】『三国七高僧伝図会』(国書刊行会、一九七四)、大橋新太郎編『仏教各宗高僧実伝』(博文館、一八九六)
【執筆者:伊藤瑛梨】